【特集】北鉄バス方向幕講座 U


■はじめに

今回は幕のフォントの違いについて紹介
します。
現存する幕はほとんど新フォントになってしまい、
違いを見比べる楽しみも減ってしまいましたが、
それでもわずかながら15年ちかく前のローマ字
なしの堂々としたフォントの幕や、短期間しか
採用されなかった初期ローマ字併記幕もまだ見る
ことができ、できるだけ今のうちに記録に残して
おきたいものです。

また、ここでご紹介する幕はほとんどが金沢地区
のものですが、加賀・能登ではまだまだローマ字
なし幕も多く見ることができ、乗りバスついでに
これらの幕も見比べてみてはいかがでしょうか。


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●幕のフォント

現存する幕には4種類あり、
・ローマ字なし 旧フォント (画像:左)
・ローマ字あり 旧フォント (画像:左下)
・ローマ字あり 新フォント (画像:下)
・ローマ字なし 新フォント
に分類することができます。ローマ字があるかないかは
パッと見てもすぐに分かるくらい字のサイズが大きいので
容易に判別できます。そしてあまり知られていないのが、
ローマ字併記幕でも初期型と現行型の2種類があるという
ことです。

初期型は、これまでの幕をそのまま縮小してローマ字を入れた
ような雰囲気の幕で、全体的に丸みがある文字となっています。
一方の現行型は、やや字が細くなり、よく見るゴシック体の
ような文字となっています。
▼画像ご提供:野山あずさ さん。
H−199さんによると、この2種類の簡単な見分け方は
「尺」の字だそうです。つまり、
4画目の「\」が左の「ノ」とくっついているかどうか
で見分けられる、ということです。

ただ、この初期型ローマ字幕も分社化や担当営業所の変更の
時に幕を新調したりしているため、現在ではかなり見ることは
難しくなってきています。


さて、現存しないものでも少なくとも過去にはさらに2種類の
幕のフォントがあったようです。やはり「金沢駅」のフォント
部分に注目して見比べてみてください。

左の画像が、おそらく昭和50(1975)年に色別方向幕が
スタートしたときの幕です。左下の画像は、昭和56(1981)年
から昭和59年に作られた幕です。
まず路線番号の数字のフォントがまったく異なっています。
当初は丸くて横幅もある「90」となっていますが、その後
「90」となっていることが分かります。この数字のフォントは
昭和59(1984)年以降の幕にも採用され、ローマ字併記と
なるまで続きました。

「金沢駅」の部分も、これまた初期型は凄まじいですね。
「馬」のところが簡略化されているほか、「沢」の直線っぷりも
目立ちます。
この角ばりっぷりは、次の幕にはいくらか落ち着いていますが、
「さんずい」に関してはなぜかその次の幕(ローマ字なし最終期)
で再び直線になってたりします。

それから、経由地表記の文字サイズも初期とその次では明らか
に異なっています。むしろデカすぎるような…
さすがに大きすぎたのか、ローマ字なし最終期の幕では
経由地表記も再び若干小さくなっています。
▲画像ご提供:数学教師さん。
ローマ字なしの幕ながら、新フォントの幕も存在しています。
金沢地区では、平成7(1995)年以降に全てローマ字併記の
幕に変更されていますが(※)、加賀・能登地区ではその後も
ローマ字なしの幕が使われ続けてきました。

しかし、分社化や路線の統廃合が進むにつれ、加賀・能登でも
幕を新調するようになり、その際に新フォントに変更されるも
ローマ字なしを維持したため、金沢地区ではあまり見られない
バージョンの幕が誕生し、現在も続いています。


加賀・能登でも幕は変化しており、下の2枚の画像はいずれも
高浜線の同じ場所で撮影したものです。
能登でよく見られたふそう中型車が活躍していた頃はまだ
旧フォントの幕を使用していましたが、その後金沢から元周遊号
が移籍してくると、こちらには新幕が取り付けられています。

(※)▲ とはいえ、例外もありかつて存在した89系統の教育プラザ行きの
幕は字数の関係からなのかローマ字が併記されていませんでした。



●実際に比較してみましょう

何種類もの幕をご紹介してきましたが、中でも初期ローマ字幕と
現行のローマ字幕の判別はやや難しいかもしれません。

そこで、同じ路線でも時期により2種類作られた幕を拡大して
並べてみました。
画像左が古いもので、右が新しいものですが、両方とも併用されて
いる場合もあれば、どちらかしか残っていない場合もあるため、
注意が必要です。


53系統の西金沢行きです。現在ではすべてLED車での運行と
なっているため、幕自体を見ることはできなくなりましたが、
旧来の兼六園下発の幕は旧フォントを、98年に新設された金沢大学発の
幕は新フォントを採用しています。

やはり「沢」や「金」の字の違いが目立ちますが、経由地の「町」の字にも
注目してみてください。「丁」の部分が大きく異なっています。


72系統の戸水行きです。こちらもやはり現在では幕での運行は
なくなってしまいましたが、新旧でフォントが異なっていました。

「戸」の字は上の横線の長さが違い、「水」の字も3画目の描かれ方が
異なっているほか、「念」の字も「心」の部分がかなり異なっています。

10系統の東部車庫行きです。やはり現在では幕での運行はなく
なってしまいましたが、こちらも連結路線となったときに幕のフォントが
変更されています。

あまり新旧で目立った違いはありませんが、旧フォントのほうが太い字で
や丸みをおびています。


61系統の大野行きです。こちらは担当が北陸鉄道本体であるため、
現在でも幕を見ることができます。

旧フォントのほうがやや横につぶれたような形をしているのがお分かり
いただけるかと思います。また、「野」の字が大きく異なっているため
ここで見分けることもできますし、経由地の「相生町」の「町」のフォントで
見分けることもできます。


幕の比較は適当な画像が見つかり次第、今後も追加予定です。


ご協力:H−199さん。

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